京都と大阪の境、大山崎の地にサントリー山崎蒸留所ができ、日本初のウィスキー製造に取り組んだのが1923年の事でした。
この山崎の地は、京都盆地の出口、扇のかなめのような地域に当たります。
サントリー創業者鳥井信治郎が山崎の地を選んだのは2つの理由からでした。
万葉の歌にも読まれた名水の地「水生野(みなせの)」。
水はサントリーの命なのです。
もうひとつの理由が、気候にありました。京都の南西、天王山の麓の竹林が生い茂る山崎は、四季折々の変化が感じられる自然豊かな地。
桂川、宇治川、木津川が合流する地点にあり、辺り一帯を山に囲まれています。濃い霧がたちこめやすく、温暖かつ湿潤な気候は、ウイスキーの熟成にとってまさに好条件。木樽の中で眠るウイスキーが、ゆっくりと熟成していく助けになるのです。
*この三川の合流後、淀川と呼ばれ大阪湾に流れ込みます。
日本のウィスキーが世界に認知された記念すべき年が2003年でした。
それは、山崎の地に蒸留所ができてから80年後の事でした。
以下、サントリーホームページより;
山崎蒸溜所の開設から80年、サントリーウイスキーは輝かしい栄誉を手にします。
世界的に権威のある酒類コンペティションISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で「山崎12年」が金賞を受賞。
名だたる審査員から「noble(高貴な)」という賞賛を集め、日本のウイスキーで史上初となる快挙を成し遂げました。
サントリーの快挙はまだまだ続きます。
前年の快挙に続き、2004年、最高の賞である「トロフィー」を「響30年」が受賞しました。
「響30年」は、その後も2006年、2007年、2008年に3年連続同賞を受賞。
3年連続4回の受賞は、1995年のISC創設以来、初めての快挙となり、世界中で大きな話題となりました。
山崎蒸溜所とは異なるタイプのモルトウイスキー原酒を求め、良質でウイスキーの仕込みに最適な水を探し続けました。そして全国各地を調査した中から、日本有数の名水地である“白州”の地に出会います。日本で初めてウイスキーづくりを始めてからちょうど50年を迎えた1973年、ついにサントリー第2のモルトウイスキー蒸溜所が“白州”に開設されました。
長い年月をかけて、南アルプスの山々をくぐり抜けてきた地下天然水は、ほどよいミネラルを含むキレの良い軟水で、この水で仕込まれた原酒は軽快で穏やかな味わいを持ち、重厚で華やかな山崎の原酒とはタイプが異なります。
白州蒸溜所の稼動により、これまで以上に多彩で奥深いウイスキーを生み出すことが出来るようになりました。
そして、2006年、山崎12年に続いて白州18年がISC金賞を受賞しました。
白州工場と同時期に、主にトウモロコシを原料としたグレーンウィスキーの蒸留所として知多蒸留所株式会社が設立されます。
この工場は全農との合弁会社で、グループを形成する別会社となっています。
インターナショナル スピリッツ チャレンジ(ISC)
2003年 | 山崎12年 金賞受賞 |
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2004年、 2006年-2008年 |
響30年 3年連続4回目となる最高賞「トロフィー」受賞 白州18年 金賞受賞 |
2009年 |
響17年 金賞受賞 白州18年 金賞受賞 山崎12年 金賞受賞 |
2010年 |
響12年 金賞受賞 響21年 金賞受賞 山崎12年 金賞受賞 白州25年 金賞受賞 山崎1984年 シュプリーム チャンピオン スピリット受賞 【サントリー酒類株式会社※1 「ISC2010 ディスティラー オブ ザ イヤー」受賞 |
2012年 |
響21年 金賞受賞 響17年 金賞受賞 山崎18年 トロフィー受賞 白州25年 トロフィー受賞 白州12年※2 金賞受賞 【サントリー酒類株式会社※1 「ISC2012 ディスティラー オブ ザ イヤー」受賞 |
2013年 |
響21年 トロフィー受賞 響17年 金賞受賞 響12年 金賞受賞 山崎18年 金賞受賞 白州25年 金賞受賞 白州18年 金賞受賞 【サントリー酒類株式会社※1】 「ISC2013 ディスティラー オブ ザ イヤー」受賞 |
2014年 |
響21年 トロフィー受賞 山崎18年 金賞受賞 白州25年 金賞受賞 白州18年 金賞受賞 【サントリー酒類株式会社※1】 「ISC2014 ディスティラー オブ ザ イヤー」受賞 |
2015年 |
響21年 トロフィー受賞 響12年 金賞受賞 山崎ミズナラ2014 金賞受賞 白州25年 金賞受賞 |
2016年 |
響21年 トロフィー受賞 響17年 金賞受賞 白州25年 金賞受賞 白州18年 金賞受賞 |
2017年 |
響21年 シュプリーム チャンピオン スピリット受賞 響 JAPANESE HARMONY Master’s Select ※免税限定 金賞受賞 山崎ミズナラ2014 金賞受賞 山崎 LIMITED EDITION 2016 金賞受賞 白州25年 金賞受賞 白州18年 金賞受賞 知多蒸溜所 ※愛知県限定 金賞受賞 【サントリースピリッツ株式会社】 「ワールドウイスキー プロデューサー オブ ザ イヤー」 |
2018年 |
響21年 トロフィー受賞 白州25年 トロフィー受賞 山崎12年 金賞 山崎18年 金賞 響35年 金賞 |
その他の受賞歴はサントリーホームページをご参照ください。
ニッカウィスキー
サントリーとともに日本を代表する蒸留所
日本のウィスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝により設立。
スコットランドの気候によく似た北海道・余市に第一号の工場を設立。
1956年ブレンドウィスキーのブラックニッカ
1962年プレミアムブレンドのスーパーニッカ
1964年同じくブレンドウィスキーのハイニッカを発売した。
この3品がニッカを長年支えた主力ブランド。
さらなる味を追求して宮城県仙台近郊に新しい宮城狭蒸留所を設立。
1984年余市蒸留所、宮城狭蒸留所のモルトを掛け合わせた「ピュアモルト」発売
1985年ブレンドの最高級品「フロムザバレル」発売
1989年シングルモルト「余市」「宮城狭」発売
2000年、余市蒸留所のシングルモルトと宮城狭蒸留所のシングルモルトを混ぜた新しいモルトウィスキー「竹鶴」を発売。
現在の商品ラインアップ
モルトウィスキー:「竹鶴」、それぞれの蒸留所のシングルモルト「余市」「宮城狭」
ブレンドウィスキー:「ブラックニッカ」「ハイニッカ」「スーパーニッカ」の他、「ザニッカ」「フロムザバレル」、「伊達」
グレーンウィスキー:「カフェグレーン」「カフェモルト」
新時代の胎動
日本の3大ウィスキーメーカーとして上記2社の他キリンディスティラーが三大メーカーと言われ、販売量の90%を占めている。
最初はウィスキーでないと酷評されていた日本のウィスキーも徐々に世界で認められてゆきました。
その後、ウイスキーマガジンによって開催されるブラインド・テイスティングでジャパニーズ・ウイスキーが高評価を受けるようになる。一度ならずそのテイスティングの結果で、ジャパニーズのシングルモルト(特に余市と山崎)はスコッチのシングルモルトよりも高い評価を受けている。
2001年ニッカシングルモルト「余市カスク10年」がウィスキーマガジンワールドアワーズで最高得点を受賞し、日本のウィスキーが世界からも注目され、いくつかのメーカーの他ローカルブランドも胎動してきている。
中でも秩父の「イチローズ・モルト&グレイン」はいま世界で最も注目のブランドである。